服務規律とは

 服務規律とは

 服務規律とは、労働者が会社の一員として働く際に守るべきルールを具体的に定めているものです。ほとんどの会社では、就業規則に「服務規律」に関する規定が設けられています。

 労働者は、労働契約を締結することにより労働提供義務を負うことになりますが、これに付随して、職務専念義務、企業秩序遵守義務、施設管理権に従う義務なども負うことになります。就業規則の服務規律は、労働義務を履行する際のルールとしてこれらを具体的に定めたものといえます。

 服務規律は、労基法の記載事項の性格としては、相対的記載事項(定めをする場合は記載しなければならない事項)ですが、職場の規律を保持する大切な規定です。

 また、就業規則で懲戒について制度化されている場合、服務規律違反は企業秩序違反として懲戒の対象となるのが一般的です。
服務規律に違反することは、会社の秩序を乱すこと(企業秩序違反)であり、懲戒処分の対象となります。

 服務規律の具体的内容

 服務規律の内容は多岐にわたります。
 主なものとしては、次のようなものがあります。

(1)労働者の就業に関する規律
 会社への出退勤(入退場)、遅刻・早退・欠勤・休暇等の手続、離席・外出・面会の規制、服装、勤務時間中は職務に専念すること(職務専念義務)、上司の指示や命令への服従義務、職場の秩序保持、安全・衛生の維持、セクハラ・パワハラ防止などがこれにあたります。

(2)会社の財産の管理のための規律
 会社の施設や物品の利用制限、パソコン利用の制限、社内における会合等を許可制にすること、社内における政治活動や宗教活動を禁止することなどがこれにあたります。

(3)労働者の地位・身分による規律
 信用の保持、兼職や兼業の許可制、秘密の保持、公職就任の場合の届出や承認などがこれにあたります。